「意識」では治らない!子供の口呼吸を根本から解決する「鼻呼吸の科学」と実践トレーニング
鼻呼吸が「天然の空気清浄機」と呼ばれる科学的理由
- 浄化・加湿・加温: 鼻を通るだけで、空気は適切な温度と湿度に調整され、汚れが取り除かれます。
- 一酸化窒素(NO)の驚くべき効果: 鼻腔内で産生される一酸化窒素を吸い込むことで、気道の殺菌や肺の酸素化が改善されます。
なぜ「口呼吸」は効率が悪いのか?(ボ-ア効果の解説)
- 吸いすぎが招く酸素不足: 口呼吸は呼吸回数が多く、酸素を多く取り込みすぎてしまいます。
- 酸素が細胞に届かない仕組み: 取り込む量が増えると、酸素と赤血球の結合が強くなりすぎて、かえって全身に酸素が行き渡らなくなります。
- 20%の差: 鼻呼吸なら血中の二酸化炭素が適正に保たれ、細胞への酸素放出量が20%もアップします。
「意識するだけ」では解決しない理由
- 2万回の無意識: 1日2万回の呼吸をすべて意識でコントロールするのは無理があります。
- 鼻反射の重要性: 鼻呼吸は、脳や神経の複雑なメカニズムによって規則正しく調整されています。
- アプローチを変えよう: 指摘するのではなく、鼻腔抵抗を正常にし、呼吸リズムを整える「根本的なアプローチ」が必要です。
今日からできる!鼻呼吸トレーニング!
「口呼吸を直したいけど、どうすればいい?」という方へ。まずは無理なく、遊び感覚で取り入れられることから始めてみましょう。
- お口周りの筋肉を鍛える: 「あいうべ体操」などの舌のトレーニングで、自然とお口を閉じられる力を育てましょう。
- 食事の噛み合わせを意識: 前歯でかじり(りんごやとうもろこしを丸かじり)、よく噛んで食べることで、お口周りの筋肉や顎の発達を促します。
呼吸を劇的に変える!「あいうべ体操」と「舌のポジション」
「意識しても治らない」とお伝えしましたが、それは呼吸が無意識に行う、筋肉の動きだからです。自然に鼻呼吸ができるようになるための「お口の筋トレ」が重要になります。
「あいうべ体操」で気道を広げる
お口周りと舌の筋肉を鍛えることで、喉の奥の空気の通り道(気道)を広げます。
- 気道の確保: 筋肉がつくことで、寝ている間も空気の通り道が狭まりにくくなり、呼吸がスムーズになります。
- 舌根(ぜっこん)を持ち上げる: 舌の付け根の筋肉を鍛え、重力で舌が喉に落ち込むのを防ぎます。
- あ・・・大きく開けます!唇も意識して大きく広げましょう!
- い・・・口を横に思いっきり広げます!
- う・・・タコの口の状態から、唇だけ閉じたり開いたりを繰り返します。
- べ・・・限界まで舌を出します。前・上・下・左・右方向に出しましょう。

実際の体操はこのイラストのようにかわいらしい表情ではありません。変顔レベルです。回数に決まりはありません。唇や、舌、頬などお口周りが「疲れるまで動かすこと」がポイントです。今まで使っていなかった筋肉を使うので、たった数回するだけでもお口周りが疲れます。初めて行うときに5回行っても疲れない場合は、動きが足りていない可能性があります。回数よりもお口全体をしっかりと、思いっきり、限界、変顔レベルまで動かすことが重要です。
舌の正しい定位置「スポット」
鼻呼吸をしている時、舌の先は必ず「スポット」と呼ばれる位置にあります。そして、舌全体を上顎にくっつけます。
- スポットの位置: 上の前歯の裏側、少し盛り上がった上顎のボコボコした部分です。
- 舌は上あごに密着: 舌の先がスポットに触れ、舌全体が上あごにピタッと吸い付いている状態が理想です。

舌の先はスポットと言われるところ(〇印)につけます。

×これは悪い例です。
舌の先しかついてません。

〇これは良い例です。
舌の奥から上顎にぴたっと吸い付くように
くっついています。
このように舌先から奥まで舌全体をくっつけると
舌の裏の筋がピンっと伸びた状態になります。
これが正解です!
なぜ「舌」が大事なの?
- 天然のマウスピース: 舌先がスポットにあり、舌全体が上顎にピタッとくついていると、口からの空気の通り道をふさぐので、口呼吸は絶対にできません。そうなれば呼吸できるのは鼻のみになります。結果、無理なく鼻呼吸が維持されます。
- 顔立ちへの影響: 舌が常に上あごを押し上げることで、きれいな歯並びや整った顔立ち(アデノイド顔貌の予防)にもつながります。
💡 一言アドバイス お子さんと一緒に「あ・い・う・べ〜!」とゲーム感覚でやってみてください。特に最後の「べ〜」で舌を思い切り下に突き出すのが、舌根を持ち上げる筋肉を鍛えるコツですよ
正しい呼吸は一生の宝物
呼吸は毎日何万回と繰り返されるものです。今、鼻呼吸の習慣を身につけてあげることは、お子さんの「健康」「学力」「心の安定」を支える一生のギフトになります。
「もしかしてうちの子も?」と気になったら、まずは寝ている時の呼吸や、遊んでいる時の表情を観察してみてくださいね。
「※トレーニングの効果には個人差があります。骨格や鼻の疾患が疑われる場合は歯科医院へご相談ください」


