子供の歯並び、見た目だけで治すと「将来の奥歯」が危ない?ママが知るべき矯正の真実
「うちの子、前歯が出ている気がする…」 「将来、歯並びで苦労させたくない」
お子様の健やかな成長を願うママにとって、歯並びの悩みは尽きないものです。しかし、現場で多くの患者さんを見てきた歯科衛生士として、どうしてもお伝えしなければならない「矯正の落とし穴」があります。
実は、見た目だけをパズルのようにきれいに並べても、将来、奥歯からボロボロと崩壊してしまうリスクが隠されているのです。
なぜ「見た目だけ」の矯正は危険なの?
出っ歯、受け口、らんぐい歯(ガタガタ)。 気になるのは「表面に見える部分」ですよね。しかし、歯並びが悪くなったのには必ず「原因」があります。
家作りに例えるなら、地盤が緩んでいるのに、表面の壁紙だけをきれいに張り替えているようなもの。土台となる「お口の機能」と「悪い癖」を治さないまま歯を並べても、長続きはしません。
矯正の「本来のゴール」とは?
理想的な矯正には、見た目以上に大切な2つのポイントがあります。
- 「正しく噛める」というかみ合わせ(機能)
- 「歯並びを悪くした原因」の改善(悪習癖の除去)
この2つを無視して無理に並べると、体は元の「悪い状態」に戻ろうとしてしまいます。
放置するとヤバい「悪習癖(あくしゅうへき)」
お子様の日常生活を思い出してみてください。こんな仕草はありませんか?
- 口呼吸(いつもお口がポカンと開いている)
- 口唇噛み込み(下唇を噛む、吸う)
- 頬杖・うつ伏せ寝(顔の一部に圧力がかかる)
- 舌を突き出す癖(飲み込む時に舌が見える)
- 指しゃぶり(学童期まで続いている)
これらは「悪習癖」と呼ばれ、歯に持続的な「異常な力」を加え続けます。 実は、矯正装置の力よりも、日常的な癖による力の方が歯を動かす影響が強いこともあるのです。癖を治さずに矯正だけしても、装置を外した瞬間に後戻りが始まってしまいます。
衝撃の未来…なぜ「奥歯」が崩壊するのか?
「前歯がきれいに並んだから大丈夫」と安心するのは早すぎます。悪習癖やかみ合わせのズレが残ったままだと、そのシワ寄せはすべて「奥歯」にいきます。
- 食事のたびに奥歯が悲鳴をあげる かみ合わせが悪いと、特定の奥歯だけに過度な負担がかかります。
- 食いしばり・歯ぎしりのダメージ 夜間の食いしばりによる力は、体重の数倍。バランスが悪いと、奥歯がその衝撃に耐えきれず、目に見えないヒビが入ることも。
- 40代・50代で歯を失う原因に 若いうちは耐えられても、加齢とともに歯を支える骨が弱まると、負担がかかり続けた奥歯からグラグラになり、最終的には抜歯を余儀なくされます。
ママに知ってほしい「後悔しない矯正」の選び方
お子様の歯を一生守るために、歯科医院選びでは以下の2点を必ず確認してください。
① 「MFT(口腔筋機能療法)」を取り入れているか?
歯を動かすだけでなく、お口周りの筋肉をトレーニングして、悪習癖を根本から治す指導をしてくれるか。これは非常に重要です。
② かみ合わせの検査を徹底しているか?
「並べばOK」ではなく、左右のバランスや、将来の成長を見越した診査・診断を行っているかを確認しましょう。
歯科衛生士からのメッセージ
私たち歯科衛生士は、大人になってから「昔矯正したのに、奥歯がボロボロになってしまった」と後悔する方を一人でも減らしたいと願っています。
子供の矯正は、単なる「見た目」ではありません。「一生、自分の歯でおいしく食べるため、一生健康で過ごすための準備期間」です。
見た目の先にある「健康な未来」を一緒に守っていきましょう。
まずはお子様のお口をチェック!
今日から、お子様がテレビを見ている時に「お口がポカンと開いていないか」「頬杖をついていないか」観察してみてください。
【1. お口まわりのチェック】
- お口ポカン: 無意識の時に、いつも口が開いていませんか?
- 唇の乾燥: 唇がカサカサ
- 上唇:富士山のような形(山型)になっていませんか?
- 飲み込み方: 飲み込む時に、口の周りにグッと力が入ったり、体が動いていたり、舌が歯の間から見えたりしませんか?
- 唇を噛む癖: 下唇を吸ったり、噛んだりする癖はありませんか?
【2. 姿勢と全身のチェック】
- 猫背・反り腰・ストレートネック: 立っている時や座っている時、背中が丸まったり、逆にお腹が突き出たりしていませんか?(姿勢が崩れると質の良い呼吸ができません)
- 頬杖(ほおづえ): 読書やテレビを見ている時、決まった方の手で顔を支えていませんか?(数キロある頭の重さが歯列を歪ませます)
- 足が浮いている: 食事中、足が床についていますか?(足がつかないと踏ん張れず、しっかり噛むことができません)
【3. 生活習慣・寝姿勢のチェック】
- いびき・歯ぎしり: 寝ている時に大きな音がしていませんか?(深い呼吸ができていないサインです)
- 寝相の偏り: いつも同じ方を下にして寝る「横向き寝」や「うつ伏せ寝」をしていませんか?
- 食べ方: いつも片方の奥歯ばかりで噛んでいませんか?
歯科衛生士からのアドバイス
もし1つでも当てはまるなら、それは歯並びが崩れる「前兆」かもしれません。 特にお子様の場合、「正しい姿勢で座り、鼻で呼吸をする」という当たり前のことができるようになるだけで、矯正の仕上がりや後戻りのリスクが劇的に変わります。
「うちの子、姿勢も悪いし口も開いているかも…」と不安になったママ、まずはその「気づき」が素晴らしい第一歩です。
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