お口ポカン(口呼吸)の原因と改善|子どもの歯並びと健康リスクを解説
お口ポカン(口呼吸)とは?見逃されやすい子どものサイン
お口ポカン(口呼吸)という言葉を聞いたことはありますか?
日常的に「口がぽかんと開いている」
この何気ない状態が、実はこどもの歯並びや顔の発育に大きな影響を与えていることをご存じでしょうか。
私たち歯科衛生士や、小児矯正を専門とする歯科医師にとって、
お口ポカン(口唇閉鎖不全)の改善は、矯正治療そのものと同じくらい重要なテーマです。
どれだけ装置で歯をきれいに整えても、
口呼吸や舌の位置異常といった原因が残ったままでは、歯並びは再び崩れてしまう可能性があります。
つまりお口ポカンは、単なる癖ではなく、
歯列・噛み合わせ・顎の成長、さらには全身の健康にまで関係する「機能の問題」なのです。
本記事では
・お口ポカンが起こる理由
・放置したときのリスク
・家庭で気づけるチェックポイント
・専門家による改善アプローチ
を、専門歯科衛生士の視点からわかりやすく解説します。
お口ポカンってなに?
「お口ポカン」とは、普段から口が開いている状態のこと。
一見些細に見えますが、小児矯正を考えるうえで最も注意すべき習慣のひとつです。
お口ポカンの主な原因
お口ポカンは、ひとつの理由ではなく、複数の要因が重なって起こることが多いです。
① 鼻呼吸がしにくい状態
・アレルギー性鼻炎
・扁桃肥大、アデノイド肥大
鼻で息がしづらいと、無意識に楽な口呼吸に頼ってしまいます。
② 舌の位置が低い(低位舌)
本来、舌先は上前歯の裏側少し後ろ(スポット)にあります。
舌が下がると上顎への刺激が減り、顎が横に広がらず歯が並びにくくなります。
③ 唇の力が弱い(口唇閉鎖力低下)
唇の筋肉が弱いと、口を閉じ続けることが難しく、自然と口が開きやすくなります。
④ 口周りの筋肉バランスの乱れ
舌の力が弱く、外側(唇・頬)の力が勝つと、歯列が内側に押され狭くなりやすいです。
⑤ 姿勢の影響
猫背やスマホ・ゲーム姿勢は、舌を下に引っ張り、口呼吸を助長します。
小児矯正とお口ポカンの深い関係
矯正装置で歯を動かすだけでは不十分です。
悪い習癖が残ったままでは、歯並びは再び崩れます。
そのため小児矯正では
「装置」+「正しい機能の獲得」がセットで重要になります。
お家でできる!お口ポカンチェックリスト
当てはまる項目が多いほど、改善のサインです。
日常生活で
・常に口が少し開いている
・ぽかんとした表情
・いびき、寝ている時の口呼吸
・食事中にクチャクチャ音がする
・姿勢が悪い(猫背)
お口の機能面で
・唇を閉じると疲れる
・舌を上顎につけにくい
・水を飲むとこぼれやすい
・ブクブクうがいができない
・「さ・た・ら」行の発音が不明瞭
・歯並びが隙間なく並んでいる(本来、乳歯列はすきっぱが理想的)
健康面で
・鼻詰まりが多い
・アレルギー性鼻炎、中耳炎、扁桃・アデノイド肥大の既往
お口ポカンを放置するとどうなる?
「口が開いているだけ」と思われがちですが、成長期には大きな影響があります。
① 歯並びが乱れやすくなる
舌が上顎にないと歯が並ぶスペースが不足し、
出っ歯・ガタガタ・受け口になりやすくなります。
② 顔つきへの影響
上顎の発育不足、縦に長い顔、頬がこけた印象につながることがあります。
③ 機能が育たない
口を閉じる力・舌の力が弱いままだと、矯正後の後戻りリスクが高まります。
④ 全身への影響
睡眠の質低下、集中力低下、姿勢の悪化なども指摘されています。
⑤ むし歯リスクの増加
口呼吸で口腔内が乾燥し、歯並びが悪いと磨き残しが増え、むし歯になりやすくなります。
お家でできる改善トレーニング(基本の3つ)
① 鼻呼吸の習慣づけ
鼻が通る環境で、無理のない範囲で鼻呼吸を意識します。
② リップトレーニング
口を閉じて笑顔をつくる練習を、10秒×3回。
③ 舌の位置トレーニング
舌先をスポットにつけ「んー」と発声。
1日20〜30秒を数回でOKです。
専門医でできる改善アプローチ
① 原因の診断
鼻・舌・筋肉・骨格を総合的に評価します。
② MFT(口腔筋機能療法)
正しく閉じて、飲んで、呼吸する機能を育てるトレーニング。
③ 上顎の発育を促す矯正
マイオブレースや拡大装置で、舌の居場所と鼻呼吸を改善。
④ 耳鼻科との連携
鼻の通りに問題がある場合は耳鼻科治療も重要です。
受診の目安
以下が2つ以上当てはまる場合、早めの相談がおすすめです。
・口が開いている
・舌が下がっている
・鼻詰まりが多い
・いびきがある
・前歯が出てきた
・姿勢が悪い
よくある質問(FAQ)
Q1. 自然に治りますか?
A. 自然に治る子もいますが、多くは治りません。早期対応が重要です。
Q2. 歯並びに影響しますか?
A. はい。出っ歯・開咬・受け口につながることがあります。
Q3. 家庭でできることは?
A. 舌・唇・鼻呼吸トレーニングは家庭でも可能です。
Q4. 何歳から相談できますか?
A. 3歳頃から相談可能です。
まとめ|お口ポカンは歯並びの土台の問題
お口ポカンは癖ではなく、
歯並び・顔つき・呼吸・健康に関わる重要なサインです。
ママの気づきが、お子さんの将来を守ります。
口呼吸と鼻呼吸の違いや、家庭でできるトレーニングはこちら
▶ 鼻呼吸トレーニング|子どもの口呼吸を改善する方法
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「※トレーニングの効果には個人差があります。骨格や鼻の疾患が疑われる場合は歯科医院へご相談ください」

